ジ・インプレッションズThe Impressions)は、1958年結成のシカゴ出身の音楽グループで、ドゥーワップ、ゴスペル、ソウル、R&Bを歌った。

前身はチャタヌーガのザ・ルースターズ。シカゴに引っ越し、ジェリー・バトラーとカーティス・メイフィールドが加入し、ジェリー・バトラー&ジ・インプレッションズとなった。

バトラーが独立後、ABCパラマウント・レコードに移籍し、メイフィールドらでトップ・バンドになる。1970年にメイフィールド独立。リロイ・ハトソンなどが入った。

1960年代の一連のヒット曲で知られ、後にロックの殿堂入り。彼らの曲は1960年代のアフリカ系アメリカ人公民権運動のアンセムとなった。1998年、「ピープル・ゲット・レディ」がグラミーの殿堂に入った。

歴史

初期

1950年代半ばにバトラーとカーティスがシカゴの聖歌隊で出会う。2人はいろいろな地元バンドで歌った後、ザ・ルースターズに1957年加入。1958年、エディ・トーマスがマネージャーになり、ヴィージェイ・レコードと契約。ジェリー・バトラー&ジ・インプレッションズとなる。

バトラーが書いた1958年のシングル「フォー・ユア・プレシャス・ラブ」はポップで11位、R&Bで3位になる。

R&Bでトップ30になった「Come Back My Love」の後、バトラーが独立。カーティスが引き継ぐ。

ABC-パラマウントでの成功

メイフィールドはバトラーの初期のヒット群を書き、印税でシカゴに引っ越した。ABC-パラマウントと1961年に契約、インプレッションズ単独で初のシングル「ジプシー・ウーマン」を発表、R&B2位、ポップ20位となった。

その後、プロデューサーのジョニー・ペイトと組んでサウンドを刷新し、「イッツ・オールライト」が1963年にミリオン、ポップで4位となった。1963年の最初のLPThe Impressionsの終曲になった。1964年に黒人の誇りの応援歌「キープ・オン・プッシング」がヒット。社会意識・政治意識を持つ歌が増えた。1965年、「ピープル・ゲット・レディ」がヒット。

社会意識

1967年12月に発表した「ウィアー・ア・ウィナー」は翌年、ビルボードR&Bチャートの1位を記録した。1968年、"I Loved and Lost" を発表し、メイフィールドは自分の会社カートム(Curtom)を立ち上げ、インプレッションズも所属。メッセージ・ソング「Choice of Colors」(1969年) 、「Check Out Your Mind」(1970年)のヒットが続いた。

インプレッションズはジャマイカのボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズやスカ/ロックステディの集団・歌手に影響を与えた。ザ・ウェイラーズはハーモニーのスタイルをインプレッションズに負い、「One Love/People Get Ready」(Bob Marley / Curtis Mayfield) 、「Keep On Moving」、「Long Long Winter」、「Just Another Dance」でインプレッションズをカバー(もしくは引用)した。Pat Kellyは「Soulful Love」を、The Heptonesは「I've Been Trying」をカバー。ハーモニーともども社会的な歌詞が彼らにアピールしたのだと考えられる。

メイフィールド独立

アルバム『Check Out Your Mind』を1970年に発表後、メイフィールドがソロになり、映画『スーパーフライ』のサウンドトラックが最も売れ、映画『愛しのクローディン』、『スパークル』のサウンドトラック、映画『シドニー・ポワチエ/ピース・オブ・アクション』のサントラも担当した。その間もインプレッションズの曲の作曲・制作は行っていた。

メイフィールドの後釜はリロイ・ハトソンが務めたが、あまり成功せず、ハトソンは1973年に脱退した。

後期

代わってラルフ・ジョンソンとレジー・トリアンが加入し、1974年から1975年にかけて「Finally Got Myself Together (I'm a Changed Man)」、「Same Thing it Took」、「Sooner or Later」が大ヒット。1976年、グループはCurtomを去りコティリオン・レコードと契約。最後のヒット「Loving Power」が発表された。

その後、20世紀フォックス・レコードと契約するも鳴かず飛ばず。2001年になって、エリック・クラプトンのアルバム『レプタイル』に参加した。

1991年にロックの殿堂、2003年にヴォーカル・グループの殿堂入り 。

2018年、グループはサム・グッデンとフレッド・キャッシュという初期のメンバー2人を含むラインナップによる最初で最後の来日公演を行った。このツアーを最後にグループは引退を表明している。

2022年8月4日、オリジナル・メンバーのサム・グッデンがテネシー州チャタヌーガで死去。87歳。死因は明らかになっていないが、腎臓、呼吸器などを患っていた。

メンバー

  • ジェリー・バトラー (1958年–1960年)
  • カーティス・メイフィールド (1958年–1970年)
  • サム・グッデン (1958年–2018年)
  • アーサー・ブルックス (1958年–1962年)
  • リチャード・ブルックス (1958年–1962年)
  • フレッド・キャッシュ (1960年–2018年)
  • リロイ・ハトソン (1970年–1973年)
  • ラルフ・ジョンソン (1973年–1976年、1983年–2000年)
  • ヴァンディ・ハンプトン (1983年–2003年)
  • ネイト・エヴァンズ (1976年–1979年)
  • レジー・トリアン (1973年–83年、200?年–2018年)
  • ゲイリー・アンダーウッド (1992年–2001年)
  • フレッド・デイヴ

ディスコグラフィ

アルバム

シングル

  • * 1963年11月30日~1965年1月23日までビルボードはR&Bチャートを載せなかった(または作成しなかった)。

脚注

外部リンク

  • The Impressions - Allmusic
  • 'The Impressions' Vocal Group hall of Fame page
  • 'Richard Brooks'
  • The Impressions at Rolling Stone
  • The Impressions in-depth interview by Pete Lewis, 'Blues & Soul' June 2011
  • Their album The Complete A &B Sides 1961 to 1968 won Rhapsody's Album of the Day on June 27, 2010

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